東北芸術工科大学3年の小澤弘太郎です。

コミュニティデザイン学科にいて、まちづくりを専門に勉強をしていて、地域に学生がはいって地域から学生がよそ者視点でどういうアイディアを提案できるのかや、学生の行動力で地域を変えることはできるのか、ということをテーマに勉強しています。インターンシップには2年生の2月の時に参加しました。

ーインターン参加のきっかけ

大学の必修科目としてインターンシップがあり、地域留学という形が必修でした。自分は仙台出身で、地元に近いところでインターンシップに挑戦したいと考えていました。また、農業高校出身で農業を学んでいましたが、地域では実際にどんな農業を行なっているのかがわからなく、同じ宮城県内の農業の実態や現状を知りたいという興味がありました。

 

ーどのような活動をしましたか?

「株式会社田伝むし」という、石巻で無農薬のササニシキ米を生産している企業さんにインターンをしてきました。ササニシキの生産以外にも、自社で商品開発~販路拡大も行なっていて、無農薬ササニシキ米の美味しさや可能性が生活の中でどう役立っていくのか、という農家としての役割を提示されています。今回は、若者向けの求人広告を作成せよ!というミッションで、若い人の就農者人口が減っているのと、ササニシキ米の生産割合も減ってきている中で、どう若者にアプローチしていけば「農業の魅力」と「農業の発展」につなげられるかという2点をふまえた上で、広告を作成するということに取り組みました。 そこで、漫画の求人広告をつくりました。まずは、「石巻の農業」と言う前置きがあったので、他の農業との差別化を考え、石巻の「漫画の街」という点に着目しました。石巻では、仮面ライダーの生みの親でもある漫画家の石ノ森章太郎さんが有名で、地域資源の1つである漫画を結びつけて作れないかなというところからアイディアがうまれました。若者向け求人広告というものを考えたときにも、情報がまとまって「手に残るもの」が良いという考察から紙媒体にしようと思いつきました。また、自分が若者という立場で考えたときに、農家さんや農業は、日常生活や生産~出荷までの過程にイメージが湧きづらいことに課題を感じたため、ものが出来上がるまでの過程がストーリー形式になっていれば面白いんじゃないかなと思い、漫画を広告に活かすことを考えました。実際に、農業を学んでいる学生や、就職する立場の学生にヒアリングを重ねた結果、「手に残る」「イメージが湧く」ということが大きなポイントだということにたどり着きました。

ー地域に1ヶ月いくまえの不安

1ヶ月って長そうだなと思っていました。参加する学生の学年や年齢もバラバラなんだろうなとか、そういう不安はありました。知らない顔ぶれで1ヶ月過ごすのかと…しかし、僕のペアの子は偶然にも学科の後輩でした。どういう考えを持っているか、どんな課題意識を抱えているのかなどはわからなかったので、一緒に活動するのが楽しみでした。

 

ーはじまってみて

最初は少しぎこちない感じでした(笑) 東京から参加している学生も半数以上いたので、「意識高いな~」と思ったり。僕は地元から近いところから参加していたのでビビっていました。でも、結局は学生という立場は一緒で、課題に対する意識やアプローチには共通している部分があったので、お互いに共有し合いながら生活したり、インターン期間中の悩みも打ち明けて一緒に考えたりもできたのでよかったなと思いました。

ーシェアハウスでの生活について

僕たちが挑戦した以外にも農業系のテーマでインターンシップを行なっている学生がおり、どう動いたらよいか、どんなアプローチをしているのかなどをお互いに共有し合う事ができて考え方の幅が広がりました。また、企業としてのジャンルは違くても、アプローチの仕方が見えたりわかるようになってくると、お互いにアイディアを共有しあうことでより良いアイディアになったり、ほかの学生の話を聞くことで地域全体をみることができて良かったです。今でも当時一緒に活動していたシェアハウスの仲間とは連絡をとりあっています。

ー成果物について

漫画を活用して作った求人広告を、実際に就活フェアに持っていって検証しました。農業をやりたいけれどどの就職先にいくか決まっていない、という人が何名かブースに来てくれて、僕たちが作った広告を見て「会社のことがよくわかります」や「手にとってみたくなります」という声を実際に聞けたときには、アプローチとしては良かったんじゃないかなと実感できました。また、漫画の求人広告が珍しかったのか、同業者の方にも沢山手にとっていただくことができました。興味がなくても手にとってみたくなるということを目指していたので、実際にターゲットの反応を見れたことが大きかったです。

実際にデザイン思考的な創造的なアプローチをしてみたら、いろんな人の顔が見えました。自分が「こうしたい」だけじゃないくて、「この人や、この地域、のために何をするか」とか。課題や要望を想いやコトと結びつけられるかとか。

ー自分としては何パーセントやりきれたか?

成果物のクオリティとしては70パーセントくらい。パソコンでの作業が苦手で手書きで書いてしまったので、もう少し綺麗なデザインを追求できたら、より良く情報を届けられたなという部分があります。社長とのコミュニケーションに苦労した時期もあったので、その点でも70パーセントです。

 

ー活動の中で挑戦できたこと

社長が農家さんでまず忙しい方だったので、どうしようとなったときには他の企業さんにもヒアリングしてみたりしました。若者にどうアプローチしていくかを考えられている企業さんは、地域に多くいたので農業に限らず、他のインターンシップ受入先企業さんにも聞いてみたりしました。あとは、僕が農業高校出身なので、母校の先生に「今の高校生って農家になりたいんですか?」と聞いてみたり。自分が関わった人たちのなかで「若者目線の広告」という共通の課題意識をもっている方に聞いて回ってみたりしました。企業目線とユーザー(若者)目線どちらの目線にも立つように心がけて活動しました。授業やゼミの活動だと、対象者が決まっているのでわかりやすく、僕たちも「これを提供します!」というジャンルを決めらます。しかし、インターンシップでは「農業を伝える」という役割と「若者」という2つのポイントがあってターゲットが幅広く、ターゲットを絞り込んで突き詰めていくことが難しかったです。「若者」といって思いつくのが学生だったので、農業高校の先生や知り合いだったり、facebookで繋がっていた農業高校の同級生で農業関係者とつながりをもっている友人がいたので、「質問箱」をまわしてもらったりしました。あとは就農者になってからの人と、就農する前の人で比較してみたりしました。こういう地道な作業のなかで「若者」をつきつめていくことに挑戦しました。

ーインターンを終えて

長いなと思っていた1ヶ月があっという間でした。熱中したり、集中する中でやりがいを感じたのであっという間でした。シェアハウスでの仲間たちとの時間も楽しくて。この経験を次に繋げていくにはどうしたら良いかと考える中では、インターンシップ参加前は学生視点だけで考えていたことも、社会的な立場でどうアプローチができるかと考えるきっかけになりました。漫画と広告など、あたらしいコミュニケーションの方法やアプローチの方法が見えたので、それを活かしたまちづくりを自分で起こしていきたいと思っていて、現在は卒業研究に活かそうと模索中です。インターンに参加する前は、もともと好きだった「漫画」は諦めていて、まちづくりを勉強する中で漫画をつかったアプローチはなかなかできていませんでした。

まちづくりのセオリーや元からある手法に囚われながらやっていたことに気づいて、自分の好きなことや手法も既成概念にとらわれずに活かすこともできると学ぶことができて、可能性が広がりました!好きなことも自分が発信したり提案してくことの自信につながったように思います。

ーコーディネートについて

​コーディネート団体の巻組はクリエイティブ な人が多くて、アプローチを考えるときも、クリエイティブ な考え方を歓迎されるのでアプローチの幅が広がるし、創造的なアプローチを考えた時にもプロセスの段階で「なにからはじめようか」というステップが明確にわかるアドバイスをもらえたことが心強かったです。たとえば、自分たちが考えたアイディアを実現していくときに、どうステップを立てていくのかが見えない時にもコーディネーターと一緒にホワイトボードを使って図や絵を描いてイメージで共有することで議論を整理してみたりなど。目に見える形で情報を整理することで自分たちの理解や腹落ちにつながりました。「右脳」的な言語で考えることや、イメージ共有ができたので言葉だけじゃないコミュニケーションが取れたことが良かったです。

 

 

ーまちについて

面白い人がいるというのもそうですが、何が面白いのかというと、ちゃんとやりたいことや課題意識をもった上で、自分の強みを生かした仕事をしている人が多い印象でした。そういうロールモデルの大人たちをみていることで僕たちも自信をもらいました。沢山のおもしろい人たちに出会えたこともよかったです。中でも、面白いというかこの人やばいな~と思ったのは、やっぱり田伝むしの木村社長です。農家さんではあるんですけど、農業をして美味しいお米を食べてもらうという段階にとどまっていないところです。自然のエネルギーや宇宙の原理からお話をはじめたり、想像力も豊かで世界が大きい感じがすごいなと。石巻でそこまで考えているのがすごいと思いました! 

 

ー知らない土地で没頭できる原動力やきっかけ

まわりの人の評価が一番モチベーションになりました。「いいね」や「おもしろいね」など「Yes, and」の考え方でフィードバックをして背中を押してくれる方が多かったです。あとは、他にもシェアハウスのメンバーの中にも、目の前の課題やプロジェクトの内容について悩んで葛藤しながら挑戦しているメンバーが居たので、切磋琢磨しながらお互いに高め合って活動できました。まわりの人のおかげで自分の価値観を超えていける経験ができました。そこが大事な経験になりました。

 

ー参加後の自分の変化

シェアハウスで男女で暮らすことで、女性への耐性ができました。笑

また、年下や年上など関係なく、気が合う仲間と謙遜しあわずに人間関係を作れました。いま就活をしているのですが、企業さんとやってみたいことや、聞いてみたいことを質問できる力がついたように思います。あんまり質問が怖くなくなりました。インターンシップが終わったあとは、目上の人の話をきいているときにでも、「もしかしたら自分と近いことを考えているかもしれない」とかアンテナを立てて聞いていて、共感力がすこし高まったかなとおもっています。共感できる幅がひろがりました。社長の大きなビジョンや、活動の根源のお話は最初はすごく壮大に思えて、最初は何のはなしをされているのかがわからなかったりもあったのですが、あとあとじっくり考えてみると納得できる部分も多くありました。一見壮大に聞こえる話でも、自分の中に落とし込んで考えて、自分の中のストーリーに収束させる、という力が自然と身につきました。

 

ー先輩として一言

​1ヶ月ってすごく長いと思うんですけど、自分のできることや好きなことが見つかった時にはもうあっという間。最初は全然悩んでても良いし、長いなとかイヤだなとか思うこともあるかもしれないですが、途中で絶対に好きなことやできそうなことなど「突破口」がみつかるはず。それに素直に熱中してインターンシップを楽しんでほしいと思います。企業さんの身近で過ごすことで、経営者の考えも理解できるようになってきて、就活にもぜったい強くなる!あとは、新しい地域で活動しながら生活することで適応力がすごくあがるので、人間力が高まります!